2-2 倶利伽羅峠の歌 Song of the Kurikara Pass
This is a song that has been handed down from generation to generation by the children of Kariyasu Elementary School in Tsubata Town. It is truly a “second school song. It was written in the latter half of the Meiji era (1868-1912) and the lyrics were written by Mr. Norikichi Yatsunami, a professor at the former Fourth High School, and the music was composed by Mr. Yasuyo Onishi, a teacher at Ishikawa Normal School.
①倶利伽羅峠の歌の歌詞 The lyrics of the song of the Kurikara Pass
1.木々の若葉に風かおる 寿永二年の夏のころ ひうちが城をおとしいれ 幸先よしと勇み立つ 維盛の軍七万騎 砺波山にぞ陣をとる | 2.埴生の宮に祈願こめ 必勝期せる木曽が勢 七手のいくさ所々に伏せ 義仲万騎の将として 八幡林あとに見つ 黒坂口にぞ陣を取る | 3.陣と陣とは程近し 矢合わせの時至りぬと 源氏方より三十騎 楯の面にあらわれて 上矢の鏑一どきに 平家の陣へ射入れたり |
4.鏑のひびき空に消え 矢叫びの声静まれば 平家方より三十騎 楯の面にあらわれて 上矢の鏑、一どきに 源氏の陣へ射入れたり | 5.源氏方より五十騎出せば 平家方にも五十騎出し 源氏方より百騎出せば 平家方にも百騎だし 互いに鏑射交わしつ かくてこの日は暮れにけり | 6.時こそ来つれと木曽が勢 四百の火牛先立てて 七手に伏せし五万余騎 えびらの方立打ちたたき 一度にあぐる鬨の声 山もどよみておびただし |
7.すわこそ夜討と平家勢 弓取る者は矢を知らず 矢を取る者は弓知らず 人の馬には我乗りつ 我が馬、人にのらせつつ 右往左往に乱れ立つ | 8.如法深夜の五月闇 くりから谷の谷底へ 親が落つれば子も落つる 馬が落つれば人も落ち さばかり深き谷一つ 平家の軍もてうめにけり | 9.平家は亡ぶ壇ノ浦 源氏は絶えぬ鶴が岡 七百年の夢のあと 倶利伽羅峠弔えば 古りし石ふみ義仲の ねざめの山か月悲し |